第18章 記念旅行は色々と
第227話 まずは巨大なお店から
総勢8人様の団体は無事、羽田空港のロビーに到着した。
「それではここから自由行動です。次は午後6時にホテルのロビー集合。もし遅れそうだったりその他何かあった場合は俺の携帯に連絡下さい。電車内等は通話禁止なのでいつものSNSで連絡してくれた方が嬉しいです。という事で解散」
何故俺がツアコン宜しくこんな事をやっているのか。
それは日本語を話せるくせに本土経験が無い奴ばかりだからだ。
俺と香緒里ちゃんはまあ別としよう。
風遊美さんとジェニーとルイスとソフィーは海外から特区へ来た。
だから東京をはじめ特区以外の日本の経験はほとんど無い。
奈津希さんは生粋の日本人の筈だが、特区から外へ出たのは数えられる程。
詩織ちゃんも北海道のど田舎にずっといたので東京は家族旅行以外では知らない。
なので仕方なく俺がツアコンをやっている訳だ。
それにしても、まさか学生会終了記念旅行で東京に来るとは思わなかった。
まあ東京以外にも温泉旅館に泊まったりするのだけれども。
学生会終了記念旅行で何処へ行きたいか聞いた処、『東京』と『温泉』という案が断トツでトップだったのだ。
ぶっちゃけ俺と香緒里ちゃん以外の全員が『東京』押し。
それに風遊美さんの、
「どうせなら日本らしい温泉にも行ってみたいですね」
と言う意見も多数の賛意を得てしまった。
かくして東京と温泉がメインという。
合計5日間の豪勢な旅行が計画されてしまったのである。
ちなみに旅行の予算は香緒里バネ製造所の提供だ。
まあその分、皆みっちり2日間、工房で働いてもらったけれど。
真っ先に出ていったのはカナダ・アメリカ組。
別名オタク組だ。
秋葉原等へ同人誌をあさりに行くらしい。
続いて風遊美、奈津希、香緒里組もスタートした。
これは美味しいスイーツを食べまくろう組だ。
そして残ったのは俺とルイスと詩織ちゃん。
「ルイスは何処か行きたい処があるか」
「詩織に任せる」
「私は例のホームセンターに行きたいですよ」
「電車だと2時間近くかかるけどいいか」
「いいですよ」
ルイス君も頷く。
なのではるばると千葉ニュータウンまで、私鉄を乗り継いで1時間半。
「電車の本数が多いのは凄いが、これだと腰が痛くなるな」
「今日は途中まで座れただけマシだな」
「確かに人も多いな。どの区間も座席は埋まっていた」
「甘いな。通勤時間は動けなくなる位に人が乗るんだ」
「日本人はタフな民族なんだな。詩織を見るとそう思う」
「
という感じでニュータウンの真ん中っぽい駅に到着。
ホームセンターまでの無料バスの時間まで1時間ちょっとある。
それにお腹も空いてきた。
「バスまで時間あるし、ちょっとご飯食べて行こう」
「仕方ないですね」
実はこれは計画的行動だ。
詩織ちゃんのテンションに任せると絶対昼食を食べ損なう。
詩織ちゃんはともかくルイス君がそれでは可哀想だろう。
「そこそこ安いバイキングがあるから、そこでいいか」
俺はそう言って2人を案内する。
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