第210話 ドレスコードとは何ですか
今日は奈津季さんと風遊美さんとルイス君に詩織ちゃんという4人組で、学校のグラウンドに出かけていった。
ソフトチャンバラバトルをやるそうだ。
空間操作系の魔法使い2人と飛行可能な風魔法使い相手に奈津希さんはどう立ち向かうのだろうか。
まあ他人事だし放っておくけれど。
由香里姉は最近は学校の研究室にいる事が多い。
今日も割と朝早く出かけてしまった。
由香里姉は休み前に魔技大の推薦入試を合格した。
今は受験で若干留守になっていた研究の方に集中しているらしい。
今日のパーティも不参加だそうだ。
まあこっちに気を使っての可能性も高いけれど。
ジェニーとソフィーちゃんはジェニーの部屋に篭って何やら作業中。
香緒里ちゃんも自室で何やら作業中。
そして俺も自室でCADや魔法陣模擬ソフト等で例の杖を設計中だ。
重視するのは、魔力を最大限に増幅させる事。
使いやすさだの複数属性対応だのといった事は全て無視だ。
設計するのはただただ、魔力最強な杖。
ピーキーであろうと使いにくかろうと関係ない。
積層魔法陣を複数共鳴させるとか、小型水晶複数で増幅させるとか。
とにかく使えそうな手段は全て図面に落としていく。
確実に共鳴させるため、電子回路と水晶発振器も組み込む。
電源は時計と同様の振動発電機と充電池と魔力発電機を組み込めば大丈夫だろう。
途中香緒里ちゃんに呼ばれて昼ごはんを食べた他は、ひたすら画面を身ながら設計図を考える。
と、スマートホンのアラームが鳴った。
気がつくともう午後5時30分。
パーティまで30分もない。
俺は慌てて服を着替える。
入学以来袖を通すことがなかった濃いグレーのスーツを着て、久しぶりのネクタイに苦労しつつ何とか形を整える。
一応髪もなでつけて、プレゼントを持って扉の外へ。
既に全員集合していた。
そしてその服装は……
「そんなサンタ服、どうしたんですか」
奈津季さんが着ているのは肩出しミニスカートという、色と布地と帽子だけはサンタ服としか言えないような代物。
ジェニーとソフィーちゃんは少し大人しい袖ありミニスカートのサンタ服。
そしてルイス君はトナカイのきぐるみ姿だ。
ルイス君の場合はきっとドレスコード違反で着替えさせられたのだろう。
風遊美さん、香緒里ちゃん、詩織ちゃんは小綺麗なドレス。
「ん、ドレスコード的にはセーフれすね」
「折角色々面白そうなコスも買ったんだけどな」
と奈津季さん。
困った事に肩出し超ミニサンタコスがよく似合っている。
「これ以上日本文化に対する誤解を広げないで下さい」
「コート型サンタ服の下に何も着ないで、プレゼントはわ・た・しとやった方が良かったかな」
「わー、それも定番れすね」
どこの定番なんだ。
「プレゼントは5千円以下です」
「愛とは無償なのだよ、修君」
台詞は高尚だが内容が伴っていない。
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