第136話 小話2の3 ジェニーの特技(2)

 次に俺は奈津希さんと思われるキャラクターをクリックする。


『学生会副会長 攻撃力A 防御力A 魔力B 機動力A B83W62H84(じぇにい推定)攻撃魔法科4年。全属性の攻撃魔法を使えるがその実力は戦闘以上に料理に発揮される。性別は女だが昔彼女がいた両性愛者。下ネタの帝王だが多分まだ処女(じぇにい推定)』


 本人は大笑いしている。


『学生会監査役 攻撃力D 防御力C 魔力D 機動力C BWH男なので省略。魔法工学科3年。天然女たらしの噂があるが本人はメカフェチで女性に興味ない。最弱だが何でも作れる工匠』


『学生会会計 攻撃力A+ 防御力C 魔力A+ 機動力C B80W58H82(じぇにい推定)魔法工学科2年。実は最強との噂あり。ブラコンで監査役の後を追って当高専に入校したが報われていない。当校学生の稼ぎ頭で金持ち』


『学生会書記 攻撃力C 防御力C 魔力C 機動力B B88W60H84(じぇにい自称)補助魔法科2年。元オタクで二次元で日本語を学んで留学。両足の義足作成時に現監査役に下半身の全てのデータを確認されている』


「何か微妙にエグくない」

と由香里姉。


「これ位は大丈夫だろ。直接的な表現も無いし」

 下ネタ帝王で推定処女はそう言うが大丈夫だろうか。


「一応、『あくまでじぇにいの主観で現実と異なる場合もあります』との但し書も付けたれすし、大丈夫れすよ」

 そう言ってジェニーは俺からノートパソコンを取り上げ、自分で操作する。


 画面が変わって『生活案内』になる。

 斜め上から島の学校側を描いた鳥瞰図が現れる。

 寮をクリックすると寮の部屋の間取りと窓側を見て描かれた部屋の風景が現れる。

 同じようにスーパーや学食等も。


「よく描けています。確かにこれなら新入生の方も生活イメージが掴みやすいです」

「実はこの画面、レアキャラが隠れているれす」

 ジェニーはそう言って、学校の影に半ば隠れた俺の工房をクリックする。


 するとマイクロバスと舟のアイコンが出現した。

『前学生会長専用フライングベース マイクロバス型キャンピングカーで飛行可能。定員6名。要普通免許。必要魔力B以上。前学生会長私有機』

『学生会監査専用フライングシップ 漁船型飛行物体。定員8名前後。必要魔力D以上。学生会幹部活動専用機』


 説明後にアイコンを更にクリックしてやると、浮き上がって飛んでいき、しばらくするとまた元の場所に戻っていく。


「凝っているなあ、これ」

「HTML5対応れす」

 思ってもみなかったジェニーの特技だ。

 絵だけでなくHTMLも書けるんだな。


「あとは生活豆知識ろか、日記を毎日少しずつ書き加えていく予定れす」

「これなら新入生の1人2人くらいは釣れそうかな」

「そうですね。この調子でお願いしてもいいでしょうか」

「任せるれす」


 そしてHPは日々充実していった。

 いつしか、俺達が全容を把握できないくらいまで……

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