第134話 小話2の1 学生会も宣伝しよう
春休みだが、今日は真面目に学生会の活動をしている。
現場はいつものマンションのリビングだが。
今日の面子は新学生会役員と由香里姉。
そして仕事は新入生対象の学生会役員補佐募集ポスター作成だ。
出来れば2人は新人が欲しい。
学年毎に2人ずつ位はいないと引き継ぎが大変だという経験からである。
「学生会活動の売りになる活動って何だろうな」
俺のその言葉に周りの空気が凍る。
「学祭の美味しいところは実行委員会が握っているしな」
「基本的に裏方ばかりですね」
早くも詰んでいる。
「『一緒に高専生活を支えよう!』と言って誤魔化しましょうか」
「それくらいしか書きようが無いですね」
実際、予算処理とか苦情処理とか要望受付とか、地味な仕事ばかりなのだ。
「まさか露天風呂使い放題とか書けないれすしね」
「エロい男子が大量応募してきたらどうするんですか」
ジェニーの台詞へ突っ込んだ俺に奈津希さんがにやりと笑う。
「そりゃあ見た目で選別した後に、一緒に露天風呂に入って観察させて頂くさ。美味しそうなら味見もいいな。お姉さんが教えてア・ゲ・ルなんてな」
危ない発言は無視だ。
「あとポスターの背景はどうします。適当に選んだサムネイルを出しますから選んで下さい」
パソコンに接続した液晶テレビにそれっぽい写真を並べる。
学生会室の写真とか校舎を上から撮影した画像とかだ。
「うーん、いまいちありきたりだよな」
「絵的に面白い活動は無いからね」
「魚釣りとか無人島海水浴の写真は?」
「このパソコンの中にはないですね」
そう俺が言ったところで。
「一応携帯で取ったのがありますけれど」
香緒里ちゃんが撮っていてくれたようだ。
「送って。メールでもKURONEKOでもいいから」
KURONEKOというのは魔技大と魔技高専で使われているSNSだ。
香緒里ちゃんから何枚か写真が送られてくる。
「あ、このあたりいいんじゃない。何か青春している感じで」
「こんな活動もしていたんですね」
「マンション買うまでは露天風呂もゲリラ的に無人の浜でやったりしていたからね」
「そんな楽しそうな事もしていたのか」
色々収拾がつかなくなりそうな中、俺は取り敢えず学校を上空から撮った写真を背景にいくつかの良さげな写真を組み合わせてポスターの案を作る。
「概ねこんな物ですかね」
作ったポスター案を液晶テレビに映す。
「いいんじゃない。どうせ募集は2名程度だろ」
「多くても困りますしね」
「無難な線です」
大体は賛意を得られたので学校の俺のアカウントに送信。
後で学校の準備室のカラープリンタでA3で印字して適当に貼ればOKだ。
「他にも何か宣伝しますか」
「うーん、フライヤー撒くほど人数は募集していないしね」
と皆で考えたところで。
「何ならHPとかブログでも作るれすか」
ジェニーが結構まっとうな提案をしてきた。
「前の学校時代にサークルのブログの管理していたれすから得意れすよ。もし良ければ私が作って管理するれすが」
「面白そうですね。頼んでもいいですか」
新会長様が食いついた。
「任せて下さいれす」
ジェニーが軽く請け負ったので、取り敢えずこの件はジェニーに一任ということになった。
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