第131話 小話1の6 今日の相手は誰と誰?
風呂を上がってもまだまだ油断は出来ない。
今日は全部で俺を含めて8人いる。
つまり俺のベッドを定員3名として使う可能性が高い。
その被害をどうすれば最小に抑えられるか。
一応さっきの風遊美さんをおかずにトイレで安全措置はしてきた。
風遊美さんごめん。
本当は麻痺魔法や睡眠魔法を持っていれば俺自身にかけて昏倒してしまえばいいのだが、俺にそんな魔法は無い。
なのでリビングでWebページを閲覧しながらくじ引き結果を神妙に待つ。
実際相手によっても被害度合いは大分変わる。
例えば寝入りやすいが危険なのが香緒里ちゃん。
逆に夜遅くまでネタに振り回され疲れるが気楽なのは奈津希さん。
では誰が一番いいかと言うと、これは判断がつかない。
全員が一長一短というか何長も何短もありすぎて。
正直誰もがとても魅力的ではあるのだ。
去年までの俺の人生の女っ気無さと比べると随分と変わっなと思う。
由香里姉も香緒里ちゃんもあくまで幼馴染。
疑似姉妹としてしか見ていなかったし。
もっともあの頃と今とどちらがいいかと考えると難しい。
人は今の自分に無いものを求めるから、きっと。
と、客間の窓が開いてどやどや人が中に入ってくる気配。
風呂から皆さん撤収してきたようだ。
俺は視線をノートパソコンのモニターから離さないようにしてやり過ごす。
「うーん、やっぱり風呂上がりの一杯はいいな」
奈津希さん何か飲むのはいいから胸隠してくれ。
モニターに反射して見えている。
他は洗面所でドライヤーで髪を乾かしているのが香緒里ちゃんと風遊美さん。
洗面所も広いしドライヤーも魔力仕様だし問題ない。
部屋へのそのそ入って気配が消えたのは由香里姉と月見野先輩。
ジェニーも自分の部屋から出てこないし鈴懸台先輩の姿も見えない。
どうもこのあたりは食べ過ぎから回復出来ていないようだ。
という事は今日の俺の敵は健在な3人のうちの2人か。
それにしても香緒里ちゃんは今日の夕食を無事消化出来たのかな。
他が酷い状態なのでちょっと心配だ。
ドライヤーの音が止む。
香緒里ちゃんと風遊美さんが一緒に洗面所から出てくる。
そして俺の前へ来た。
「今日は私達と一緒です」
「よろしくお願いします」
うっ、何か食合せが微妙に悪そうな2人だ。
何でそう感じるのかと言われると困るけど。
俺は香緒里ちゃんと風遊美さんに挟まれて俺の部屋へ。
「何なら明日朝、事後写真の記念撮影するかい」
「結構です」
奈津希さんはこの前の件、全然反省していないようだ。
まあそれはともかく。
俺は自分の部屋のベッドへと追いやられる。
風遊美さんが扉を閉めて照明を豆球にして、そして俺の両側を2人で固める。
否応無しの就寝体勢だ。
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