第41話 小話4の7 やっぱり発生大戦争

「じゃーん」

 私も着替えて出てきたぞ。

 そう主張する声が聞こえたので、俺はそっちを振り向く。

 マイクロバスから出てきた由香里姉が俺に向かってポーズを取った。


「じゃーん、どうかしら」

 紺一色のシンプルなビキニ。

 肩紐無しの同じ幅の布を巻いているようなデザインの上パーツが胸の谷間をくっきり強調させている。

 下パーツもシンプルさが逆に体型を邪魔せず引き立てていてそそられてしまう。


 ただ、薊野姉妹は美人でスタイルもいいが胸は平均程度。

 だから爆発的な威力はそれほどない。


 今までの露天風呂の経験から考えると、最も危険なのは今海中にいて全身を見せていない奴だ。

 なので俺は俺はある程度余裕を持って応えられる。


「似合っていますよ」


 でも由香里姉は俺のその余裕に気づいたらしい。

 由香里姉の視線が香緒里ちゃん、月見野先輩の方をそれぞれ通過した後。

 沖で何やら潜ったりしている鈴懸台先輩にロックオンされた。


 そのまま由香里姉はすたすたと歩いていく。

 海上も歩く度に足元を凍らせてそのまま歩いていく。

 そしてちょうど息継ぎで海面に出た鈴懸台先輩をいきなり引っ張り上げた。

 後ろから脇の下に腕を通し、鈴懸台先輩の両胸に揉むように手を当てて。


「これか、これが足りないのか私には!」

「何だいきなり」


 鈴懸台先輩の水着は、鮮烈なまでの赤色だった。

 上は三角布に肩紐と背中への紐を付けた形、下も三角布紐付きという昔からグラビアの定番でよくあるタイプだ。

 ただ鈴懸台先輩は胸もあるが、肩や上腕部にそれなりに筋肉もついている。

 だからいやらしさはあまり無い。

 ある意味俺にとっては助かる。


 だが、後ろからその水着の胸部分を揉まれているとなると話は別だ。

 由香里姉の手の動きに合わせて。

 そこだけは柔らかそうな肉が刻一刻と形を変えていく。


「これが、この脂肪の塊が全ての諸悪の根源なのか!」

「ふふふ、持たざる者のヒガミか」


 ようやく鈴懸台先輩も自分が襲われた理由に気づいたらしい。


「持たざる者よ。我が胸に絶望するが良い」

 何か中二病っぽい台詞を吐いて、鈴懸台先輩は両手を頭の後ろに回して組んで、胸を強調するようなポーズを取る。


「どうだ!圧倒的じゃないかわがチチは!」

「ううっ、性能バストの違いが戦力の決定的差でないことを教えてやる!」

「黙れ、堕ちろ!蚊トンボ!」

「デカチチめ!堕ちろ!」

「Eカップは伊達じゃない!」

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