第2発 顔合わせ・・・?

 よし、着いた。ここがAアルファ分隊の部屋だ。

 さて、どんな面子が・・・いる・・・か・・・


 目の前に、白人の大男が立っていた。

僕も伸長は180cmあって、決して小さい訳ではないのだが、それでも見上げる形になる。2mを越えているかもしれないぞ。茶髪なのだろうが、下から見ると陰になって黒く見える。

そして高いだけでなく、太い。脂肪が付いているのではない。付いているのは筋肉だ。いや、シールズは皆マッチョメンだが、こいつのは明らかに度が過ぎている。

 どっ、どうコンタクトを取ろう・・・


『ボディビルダーの方が儲かると思うよ?』


いや、駄目だ。馴れ馴れし過ぎる。僕も初対面でこんなこと言われたらイラっとする。なにより、こいつが逆上したらきっと僕は潰される!

 考えている内に、大男が茶色の目で僕を睨みながら話してくる。

「貴方が分隊長でありますか?」

うっ、声までドスが効いている。

「そっ、そうだ。」

 ここは自分を大きく見せておこう。変に丁寧にして、上下関係が反対になるのを防ぐために。

「・・・いっ」

どうしたんだ?こいつ

「どうしたんだ?こいつ」

っ、しまった!!声に出してしまった。

大男が1言を発した。







「いいオトコっ」




 勢い良く僕は押し倒された。

「惚れ惚れしいブロンドの髪も、キリッとした蒼い目も、ディープな唇も、誘っているかのような薄い髭も、全部愛おしいっ」

くそっ、こいつ、馬鹿力過ぎる!抵抗出来ない!!

「ちょっやめろっ!!おいジェームズ!笑ってないで助けてくれっ!助けろっ!!おい!」

ジェームズめ、腹を抱えて笑ってやがる。

だっ、誰か・・・


「ジェイソン!なにしてるんだい!?止めなよ!」

やけに高い声が聞こえてきた。

「黙ってろ、糞アマ野郎!」

「止めないのなら、無理矢理止めさせるよ!」

「やってみろってんだ!今の自分は誰にも止められn ンナッ グハァッ!!」

大男が蹴りで仰向けにされ、上から股間を踏み潰された。かなり痛々しい。同情はしないが。


「悪い、ありがとう」

そう言いながら助けてくれた奴を見上げると・・・

「迷惑をかけたね。わたしはアマーリ・テイラーよ。はジェイソン・コックス。『変態』で良いと思うよ」

 そこには女がいた。

首ほどまである黒髪で、碧眼の女だ。「女軍人」といった感じではない。

というか、アメリカで女性特殊部隊員が認められたのが"15年。そこからすぐに志願しても、今シールズに成り立てってところのはず・・・なんでこんなとこに居るんだ?

 と、ドアからノックが聞こえた。

「失礼します。A分隊所属、オリバー・ウッド伍長です。」

・・・白人の男が入ってきた。茶髪、黒髪で気の弱そうな童顔の男だ。

オリバーは扉の取っ手に手を掛けたまま固まっている。

そりゃそうだ。今、この空間は混沌カオスを絵に書いた様な状態だ。腹を抱えて笑う黒人と、股間を抱えてのたうち回る巨漢と、疑問を抱えて茫然と倒れている僕と、逆に疑問を抱えられる女が居るのだから。

ほら、オリバーも女を凝視している。

やっぱりここに居ることを不思議n・・・






「可憐だ・・・」


・・・・・・


「名も知らぬ女性っ!貴女あなたに一目惚れしました!!ぼっ、僕t・・・」




「わたしは!!」



オリバーの鳩尾に肘が入った。

「おっ、男!?」

「そうなの!!母は娘が欲しかったけど、生まれてきたのは男のわたしだったの。それで、女性ホルモンを大量に打たれて、女として育てられたんだ。」

うわーお、マジかよお母さん・・・

「軍に入ったのはせめてもの抵抗。ここでは女性扱いされないと思ったから。」

「でっ、でもっっ大きくはないけど明らかに胸が・・・」

オリバー・・・もう諦めろ。そこでうずくまってる巨漢へんたいみたいにされるぞ・・・

「女性ホルモンの作用と、大胸筋!」

「・・・そっ、それでも僕は君がすkグバァッッ!!」

Oh・・・顎に綺麗なアッパーが入った・・・

K.O.

オリバーは遂に倒れ、ピクピクと痙攣している。


「と、取り敢えず仕切り直そうか。」

ここらで終わらせないと、ヤバいから。

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Team 11~特殊部隊は陰を歩く~ @scar

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