第5話

「わぁ〜✨❤️自転車、はじめて乗ったよ〜!✨

結構、スピード出るんだね〜✨❤️」


転校生は、、自転車に乗った事がないらしい、、、💦


自転車の二人乗りは、禁止されてる昨今。

今の俺達の姿が警察の方々に見つかれば、、

大変な事になるだろう、、(泣)💦



でもなのだ。

、、、自転車を引いて歩いてなどいたら、

日が暮れてしまう。


転校生を1人、バスに載せようにも、、

ここら辺は大通りまで出て、バスが1時間に一本だ。

しかも、転校生の家とは見当違いな所に走っていってしまう。


、、つまり、俺の通う高校は田舎という事。

そう。

間違いなく『ド』のつく、田舎。



なら、いっその事。

『ド』田舎を利用して、回り道すれば、、。

田舎道の田んぼの中を走れば、、、問題ないのでは、なかろうか?っと、、


俺は、自転車の後輪に足をかけて、

立ってる転校生に気を使いながら、

転校生の家に向かっていた訳なのだ。




田んぼのど真ん中の一本道を走り出すと、、

初夏の陽気が感じられた。


田おこしした、新しい泥臭い匂いと、早苗の青くさい匂い。

俺の知ってる夏の始まりの匂いだ。


その風が俺と転校生の乗る自転車に吹いてくる。


「まぶしい〜✨♫

、、キラッキラ〜♫✨」


キラキラと反射する、水を張った田んぼを見て、

転校生は、初めて見るような、はしゃいだ声を上げている。



まぶしいなぁ、、

爽やかだな、、本当に、、。


俺は、ガラにもないことに、そう思った。


他ごとを考えないと、事故りそうだったからだ。

両肩には、転校生の両手が乗り、軽いながらも、転校生の重みが感じられていたのだ。


人の重みというのか、、💦



転校生の楽しげな気配、、

そして、転校生から香る、、なんだか男子には無い良い匂い💦


それが、俺は背中からでも感じられたのだ、、💦


うわぁぁ💦、、なんでこんな事に⁇💦


そう。

俺は心の中では、パニクり叫んでいた、、。

女子と縁のない俺の生活に、イキナリの転校生参入!?💦


どうしたら良いか分からず、戸惑って、気をそらさないと耐えられなかったのだ。


しかしなのだ、、。

何故だか、いつもの1人の帰り道よりも、

何だか楽しく感じるは、何故だろうか???


ただ田んぼの中を走ってるだけなのに、、✨

冷や汗をかきながらも、パニクりながらも、、

俺は心の隅っこから、らジワジワと楽しくなってくる。


「自転車✨楽しい〜✨❤️

いけいけ〜✨♫」


後ろでは、ツインテールを後ろになびかせて、

叫ぶ転校生がいる。

ただそれだけなのに、、変な感じだ。


苦笑しながら俺は、いつの間にか笑って、

抜ける青空を抱いた様な気持ちで、ひたすらにペダルをこいでいた✨

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