第3話



朝のミーティングの時間。


ざわめく教室に、

細目に黒ぶちのメガネをかけた、背の小さい担任教師が入ってくる。教室に毎朝入ってくるたびに、

俺はその小ささに拍子抜けする。


、、、小さ、、💦


我が担任の先生、『ホビット先生』だ。


まるで小学生の低学年ほどの身長で、、

黒板に字を書くときは、先生専用の台に乗るのだ。


その光景が、可愛いと女子生徒は言い、

夢見がちな女子には妖精さんみたいと言われているが、、、

いつの間にか定着した名前は、ホビットだった、、。


独身で、30代。

真面目な教師を絵に描いたような先生だ。

、、その身長さえ、高ければ、、



生徒の俺から見ても、気の毒だ。

今後。人生の長い目で見ると、、

例えば。結婚などを考えると、、、

あの身長はキツイよな〜、、、

と、、担任に密かに同情していたの、、、


しかし。

ホビット先生の後ろにいた女の子を見た瞬間。

俺の、そんな幾度となく思っていた事など、一瞬で吹っ飛んだのだった、、



焦げ茶色のベストに、シャツの首元には、細い赤いリボン。

同じく焦げ茶色のプリーツの入ったスカートが、膝丈に。

この学校の指定の制服だ。


その制服を着込んだ、あいつに俺は目を奪われた。


ショッキングピンク。

ツインテール。


そう。

昨晩見た、空を飛んでたあいつが、、。

学校の制服を着て、ホビット先生の横で静かに立っていたのだ。


やはり、、ホビット先生より、頭一個分、身長は高い、、。


俺は、口を開けてパクパクしていた、、

その髪、、マズイだろ💦と、、、

俺は、心の中で精一杯叫んでいた。


、、すると。一瞬、目にゴミが入ったきがして、、


俺は目を擦ってから、もう一度。

自己紹介を始めた転校生を見た。


すると。さっきのは見間違いだったのか、、

背中までの黒い髪を、ツインテールにした、小柄な女子がお辞儀をした。

頭の上では、二つのショッキングピンクのリボンが、ユラユラと揺らめいている。



そしてニコッと。

窓側の端っこにいる俺に向かって、視線を合わせ、

イタズラっぽく微笑んだのだ。



俺〜、、⁇💦

誰 だ⁉︎💦あんた⁉︎💦



戸惑う俺を、そのままに。

転校生は、クラスのみんなに自己紹介をしている。



なんて事のない、つまらない毎日が。

変わる気配。

それが俺にも、なんとなく感じていた、、、。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る