第8話 永遠の命
思ったより長かった中間テストも終えて、プリンセスゴリラさんのお嬢さんの誕生日になった。その日は、平日だったので学校が終わった後にカラオケで行われた。
「今日は、記念すべき美穂お嬢さんの誕生日なので、記念品を贈呈致します。」
美穂の誕生日の時は敬語しか使えないらしい。変わったルールである。
「よろしい、では中を拝見いたすとする。皆の気持ち、わらわは嬉しいぞ。」
彼女は、何時代のお姫様だろう。だとしても、大人びていた言葉と行動は相反していて、袋を豪快にビリっと破いた。
「うぁあ、可愛いー、これってピン止め?いいねー、ありがとう。むっ、これはバナナのぬいぐるみ、む、む、む、、まあ可愛いからいいや。ゆうありがとう。」
コロコロ表情が変わる。驚き、喜び、疑問、喜び、、一瞬でこれだけ変わるのか。僕が彼女を不思議そうに見ていると
「これは、ネックレスだぁー、ありがとう。んっ?、ふっ、もしかして千日紅?」
「えっ、知ってたの?」
驚きを隠せない僕を横目に、小さく微笑んで、今までで一番大人びた顔で
「花言葉は、永遠の命。」
僕は彼女から目を離せなかった。
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