第7話 千日紅の花
季節はまだ5月というのに、真夏のような日差しが照り付ける。それだけでも、大変なのに僕はショッピングモールにいる。人込みをみると同じ日に同じ時間に同じことをしている人がたくさんいることに驚く。GWは人を惑わせる。あと、この場所だけ酸素が薄すぎるのではないだろうか。
4月の終わり。風呂に入った後、スマホを見ると1通の通知が来ていた。ゆうからだ。どうせ「みて、まさ、Gカップスレンダー美人だぜ、うひょ~。」みたいなメールとともに卑猥な画像が送られてきたかと思ったが今日は違った。
(まさ、5月23日美穂が1歳年をとって老化するんだが、その記念品を買いに 行かないといけないんだけどGW空いてる?)
すっと言えよ。と思ったが買い物か。久しぶりだなあ。
(どこに行くの?)
返事を送る。すると、すぐに
(BGショッピングモール。)
まて、GWに?BGって県内で一番の規模のお店。そんなところに行ったら僕は酸欠で倒れるだろう。避けなければ。寿命よりも先に死んじゃう。
(なんでGWに?もうちょっと後でもよくない?)
(アホかぁ、GWの次の週の木曜から中間テストだろ。
休みがねぇだろが。)
正論だった。こいつはこういう判断は鋭い。避けるための言い訳を考えたが、どうしても僕が子供の言い訳になってしまうので仕方なくいくことにした。
僕らは、冷たい空気を求めて入ったお店は J.K LOVELY‘S これは流石に、、と思ったが彼は違った。
「すいません、プレゼントを買いたいんですけど。」
「はい、どのようなものをお探しですが?」
「ゴリラが喜ぶようなものなんですけど、あっ人間ですけど。」
頼りになると思ったがやはりゆうはゆうであった。
「か、活発な女の子なんですけど。」
慌ててフォローをくわえる。
「それでしたら、、、こちらへ。」
流石の対応。心のなかであっぱれ!2つくらいあげた。彼には喝を。
こうして、僕らはプレゼントを選んだ。
ゆうは、ハートのピン止めとバナナのぬいぐるみ。僕は、悩みに悩んで千日紅の花を模したネックレスにした。花言葉は永遠の命。僕が好きな花だった。
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