第6話 温かみのある時間

 「次はまさの番だよ。」


 僕はどうだろうか。

「僕も運命は好きじゃないかな。運命に抗う人、、」

ここでこれを言うのはやめとこう。重くなるから。

「僕は、元気な人がいいかな。ほらだって、僕暗いし。」

「そうだよな。まさは根暗なくせによくしゃべるよな。じゃあ、美穂みたいなやつがあっているかもね。ほらプラスとマイナスみたいに。」

 意外にも、自分の中で納得できたような気がした。でもくっついたら離れない気もするが。隣をちらりと伺う。意外にも、その顔は少し、恥ずかしさと照れを含んだ幼い顔に見えた。

「そうだね、、、。」

彼女は小さくつぶやいて

「次は、体育だよ。急がなきゃ。」

と残し元気に走っていった。

 

もうすぐ、4月が終わる。確実に時間は減ってきている。でも、この過ぎた時間はこれまでとは違う温かみのある時間だった。


最初は、花の香りを運んでいたいつもの道も、今は青々した緑の服に着替えていた。来年もこの風景を見れるだろうか。

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