食通
一人暮らしが長くなると料理もそれなりに上手くなる。料理が上手くなると料理にたいしての「こだわり」なんていう物が頭をもたげてきて、そうなると味覚もそれなりに磨かれてしまう。好んでそうなったわけでも無いが、一端の食通を自認するのも致し方無いのだろう。
独身時代に手っ取り早く作れる定番が野菜炒めだ。
もやし炒め、キャベツ炒め、白菜炒め、野菜炒め。豚肉と野菜があればササッと作れて飯にも合う。何度も何度も作るうちに腕が磨かれるのは自然の流れと言うもの。我ながら自分で作る野菜炒めの旨いこと旨いこと。
野菜は買ってきたものをサッと水で流す。洗うというより流す。ニンジンなんかは皮付きで構わない。玉ねぎ、ピーマンなど有り合わせの野菜をザクザク切る。野菜炒めは食感が大事だ。ある程度の大きさがあって頬張る時に大口を開けてワサワサ食べられるのがいい。フライパンに少しの油をたらし豚肉を香ばしく炒める。少し小麦粉をまぶしておくと野菜汁との絡みがよくなる。ある程度火が通ったら野菜投入。順番なんてのはどうでもいい。焦がさないように手早く炒める。あまり萎びても良くないが半生でもダメだ。男の腕力ならフライパンを振るくらいは朝飯前だろう。ジャー、ジャーとリズミカルに音楽を奏でる。うん、いい香りだ。
塩、こしょうで味を整える。このままでも良いし、醤油をたらしても良い。
ここまで来たらもう最後だ。
おもむろに棚から味の素を取り出し、必要以上に振りかける。お皿にあけて炊きたてのご飯と共にパクパク。
味の素のうま味が存分に引き出されて旨いこと間違いなしだ。
ついでに男の料理を1つ2つ。
冷やっこに味の素をフリフリ。醤油をかけて戴く。うーん旨い。
白菜の漬け物に味の素をバカみたいにかける。醤油を少しだけたらしてジャリジャリ言うのを白飯と戴く。至福の旨さ。
素材の奥底にあるうま味、味の根元。味の素。池田菊苗先生に感謝。
ちら裏閑話 江戸川原 うんぽ @Edogawara_unpo
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