エピローグ
僕はある場所へ向かっていた。それは真琴のお墓である。僕は毎日お参りしたいが真琴のお墓は小さな山の頂上ではかなり大変なのでせめて一ヶ月に一回だけでも行こうと思った。
僕は、延々と見える階段を登り、彼女のお墓を目指し歩いた。太陽がこれでもかというほどに輝いていた。まるで真琴が笑っているかのように。僕は彼女のお墓に彼岸花を挿した。彼女が前に言った言葉を思い出し花屋で買ってきた。
僕は、線香をあげ、真琴との思い出に浸っていた。真琴と出会って、僕は変われたんだ。友達は真琴と関わったから出来た友達や仲間ができて、真琴の分まで友達を作ろうと決めた。前の自分だったら、考えられないだろう。僕は真琴に挨拶して、帰った。
学校に行くと、友達の優太と明央がいた。今でもずっと友達だ。新しい友達だってできた。今日の昼休み、僕と優太と明央は屋上のベンチに座っていた。
「何で、真海が死ななきゃなんないの?真海が死ぬなら、私も、死ぬ!」
「しょうが無いだろ?もう過ぎたことだよ。」
「もう優太は冷たい!愛斗もなんか言ってやって!」
「真海も色々あったんだよ」
「何か知ってるのか?」
優太が言った。
「別に、真海の事ずっと忘れないようにしような」
明央と優太はうなずいた。
僕は学校の帰り道の途中で本屋に寄った。なんだか急に彼岸花の花言葉について知りたくなったからである。一年生のとき彼女に彼岸花の花言葉を聞かれて、僕は分からず聞いてみると、
「悲しい想い出…。」
「それと、もう一つは…。」
「何?」
僕は聞いたが彼女は教えてくれなかった。僕は知りたかったが、記憶が消されていて、思い出せなかった。僕は花のコーナーに行き、花言葉が載っている本を探した。時間はかかったが見つかった。
「彼岸花、彼岸花…。あ、見つけた。」ついつい独り言を口ずさんでいた。彼岸花にはたくさんの花言葉があった。でも一つだけ目にとまるものがあった。
「想うは…あなた一人」
そうか。彼女はあの時からずっと僕のことを想っていたのか。僕は本屋ということを忘れ、大声で泣き叫んだ。
僕は涙を拭い、本屋を去った。そして、真琴が住んでいた家に帰った。あれから、自分の家に戻るか迷ったが、真琴との思い出が詰まったこの家から離れたくなかった。僕は自分の部屋に入り、ベットに寝転んだ。
真琴。元気か?僕は元気だ。僕は真琴との思い出は忘れないよ。
そうだ、僕は心理学者になろうかなと思ってるんだ。僕はこれから、多くの人を助ける。そして、真琴がやりたかったことを僕が引き継ぐ。僕を好きになってくれてありがとう。僕に恋を教えてくれてありがとう。
机の上には、夏祭りのときの写真が飾ってあった。
彼岸花 いとあはれ @2002_sky
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