夢の噺ー欠片ー
夢
~今日はこの部屋の掃除だ。
Nには空気が悪いから別の場所に避難して貰った~
~つまり今、ここには僕しかいないんだ。
嬉しいな、今は君達を存分に愛せるよ。
ただ、ここの本は何回か整理されてるから、僕が知ってる本がどれぐらい残ってるかな~
~早速見つけた。
まずはこの漫画、『ホホホーホ・ホーホホ』。
全人類ツインテール化計画を阻止するためにドリル髪真拳で戦う女の子が主人公なんだよ。
でもギャグに全力を注ぎすぎてストーリーが見えないのが悲しいんだよね。もうちょいストーリー載せてくれたら嬉しいのに~
~ああ、この本もここにあったんだ。C・トベルト短編集。色々な話が収録されてるのは良いけど、最近新しい本を読んでないな~
~次はこの本、ゲホゲホ。
少し埃が貯まってる、はたきで埃をとってっと。
短編小説『クラリーナの愉悦』。
魔法世界『ピラード』に転生したクラリーナが様々な冒険をするんだけど・・。
どうして元の世界に戻るのが嫌なのか未だに分からないんだ。
クラリーナはピラードで上手くやってるけど、元の世界に戻りたがらない。
元の世界を他のキャラクターが興味半分に聞いても『知らなくて良い』の一点張り。
おかしいよね、突然行く羽目になった世界より、生まれ育った世界の方を嫌うなんて。
そこでどんな人生を送ったか皆聞きたい筈なのに~
~あ、これもあるのか。『世界の橋図鑑』。
僕これ大好きなんだ。色んな地域の橋の挿し絵を見ているとそこにどんなやり取りや、辛いことや、ストーリーがあるのかわくわくしてくる~
~良かった、大体僕の好きな本が残っているぞ、うん~
~あれ、こんな本も残っているのか。
ふむふむ。ほほう。へぇ、ええ、成る程・・この本はちょっとNの部屋に置けないね。恥ずかしすぎる~
~さて、気を取り直して、他に残ってる本は無いかな~
~『海賊ニュード』『ミスターチョコレイトの冒険』『ある少女の哀歌』『角が有る者達』『機械仕掛けの神様にご注意』・・うん。
結構残ってるね、新しい本は~
~あった。こんなに一杯。
『エンピツ・サムは寒がり』『ミスター・オニギリは知っている』『レディと宴の嗜み』『呑み込める夜』『ライ麦畑でつかまえて』いっぱいあるなあ~
~そしてこの内何冊の話をNに聞かせるんだろうね。その時が来るのは凄い楽しいけど、他の話題をした記憶がないな~
~そう考えると、僕は異世界からきたクラリーナのようにあまりNに自分の事を話してない~
~今度、Nと話そうかな。僕の昔の話を~
ーーfin
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