習作 ハッピィロマンス
@Motoki_Sho
一話完結
男は女を買う。
寝る。
女はドレスを買ってきた。
寝る。
「いやですわ、悪くなる前に楽しまないと」
寝る。
「いいや、それも一興」
寝る。
「あなたってそれしか取り柄がないのね」
寝る。
「君こそ、疲れてないじゃないか」
寝る。
「もうやめましょう!こんなこと・・・」
寝る。
「どうしてだい?」
寝る。
「これは破滅、それも人生が終わるまで続く永遠の破滅・・・」
寝る。
「それでこそ、もう終わっているのなら、楽しまなければ損じゃないか」
寝る。
「かといって罪を上塗りし続けてもいいとは限らない」
寝る。
「些末な出来事さ。君にも君の夫にも、私にも私の妻にも、それぞれ事実がある」
寝る。
「事実とは、今を肯定するということ?」
寝る。
「そうとも、誰しも口に言えない想いや過去があるのさ」
寝る。
「それがあなたを彩る」
寝る。
「過去は変えられない。今絶命したとして、幸せを求めるのに何の縛りがあるんだい」
寝る。
「どうせなら、心は純潔で死にたいわね」
寝る。
「ダメさ、生きるとは、交わることなんだから」
寝る。
「さあ、今日妻にばれた。もう帰れない」
寝る。
「奇遇ね、今度は私も家を追い出された」
寝る。
「どうせ一時の恋」
寝る。
「楽しめるまで楽しみましょう」
寝る。
「「さようなら、愛しい人」」
お互いがそれぞれ永遠の愛を誓い、今それが果たせなくなったことに別れを告げる。
この一時の関係が、二人を支え、奇しくも誰よりも互いが必要としていた。
そして。
寝る。
習作 ハッピィロマンス @Motoki_Sho
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
近況ノート
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます