第三話 守人―マモリビト―と銀河機構

 「そういえば、この同好会の活動内容を教えて下さい。」

 強制的に入会させられたのは良くないが、入ってしまった以上せめて活動内容は知っておかないとな。すると神川が自信満々にこう言った。

 「我が同好会は、世界中の宇宙人に関する情報を入手しそのデータから宇宙人の生態を考えるんだよ!」

 ま、そんなもんかと思っていた矢先、神川が話した。

 「ってのが表向きね。」

 「表向きって何だよ?」

 こんな一同好会に表と裏が有るのかよ。

 「そう。この同好会の本当の目的は…。」

 

 『宇宙人の侵略から地球を守るためよ。』

 

 嘘だろ…と思ったが、神川のさっきまでとは違う雰囲気と真面目な表情で話したから本当なのかもな。

 「浜田先輩も実は地球人じゃなくて宇宙人なの。」

 「そ…そうなんですか浜田先輩?」

 浜田先輩は静かに微笑み「ええ。」と言った。

 「僕は銀河機構からこの星に配属されました。」

 「銀河機構…?なんですそれは?」

 話のスケールがでかすぎて正直追いつけなかった。

 「銀河機構はこの天の川銀河の惑星を統括する組織です。宇宙が誕生して間もない頃には惑星間での戦争が絶えず、多くの惑星が滅びました。銀河機構は惑星間での争いが起こらぬように組織されたんです。」

 浜田先輩はスラッと言ったが、考えてみればそう簡単に信じられないような話だ。

 俺は何も言えなかった。いや、言えなかったんじゃなくて言わなかった。何を聞けば良いかわからないし、この話を聞いて何になるのかが分からなかった。ひとつだけ疑問が浮かんだ。 

 「神川は宇宙人なのか?」

 神川は答えた。

 「いいえ、私は地球人。」

 「じゃあ、お前は一体…」

 「私…この神川家は代々宇宙人の侵略から地球を守ってきた。私は守人なの。」

 神川の表情がどこか切なく感じたのは俺だけか?

 「マモリビトってなんだ?」

 「守人は平安時代から有る職業で、代々神川家の当主が地球を守ってきたの。」

 神川は続けて言った。

「最初は朝廷とか幕府の援助があったらしいけど、次第にそれも無くなり歴史上からかき消された…。」

 神川の言葉に俺は何も声を掛けられなかった。

 「だから我々銀河機構が今ここにいるんです。守人は無くてはならない存在だからです。」

 と、宇宙人浜田先輩はそう言った。

 「俺…結構ヤバいは話を聞いてしまったのでは…」

 そう言うと浜田先輩はにこやかに「えぇ。ヤバいですよ。他言無用でお願いします。もし誰かに行ったときは…分かりますよね」

 「はっ…はい」

 一瞬三途の川が見えた。気がする。浜田先輩の笑顔に「言ったら殺す」的なのを感じたからだろう。

 

 しかし、その頃学校上空には謎の黒い巨大な球体が姿を表したのを俺らは、まだ知らない―

 

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