第3話

 サレンが部落のほぼ真ん中に建てられた族長の館に帰り着いたのは、小一時間も経ってからだっだ。

「お帰りなさいませ」

との言葉と共に手渡された儀礼用の装束に、サレンはざわつきがたかぶるのを感じていた。着替えを済ませ族長と客人の待つであろうレセプションスペースに入ると、父である族長に引き寄せられた。

「これが不肖の倅です、ほら挨拶をしないか」

滅多にしないその仕草に戸惑いながらも、見覚えのない風変わりな客人達に名乗りをあげた。

「サレン・デロ・ゾレナーです」

「キミが次期族長のサレン君なんだ。私はステラ、…知ってるかな?LXX(リーイクスイクス)とゆう企業の社員よ」

鴇色ときいろの髪をした女性がにこやかに応えを返してくれた。

「勿論知ってます、銀河一有名な組織ですから…ところで後ろの方は?」

「ああ、俺はただのボディガードだ」

そう答えた男を女性が睨みつけた。

「名前を聞かれてるのよ、ファン」

「ああ…なら、ファングだ、面倒だったらDDとでも呼んでくれ」面倒くさげな男の応え。

「まあまあ、挨拶はともかく今回の用件をお願いできますかな」

いつになく上機嫌の父の声に、サレンはLXXが上客でもあることを思い出していた。



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流砂の惑星 いちごはニガテ @xxitigo

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