第2話
生物も疎らな
AL銀河の中でも辺境に位置する暗陽系の第4惑星であるこの惑星レソルは、その名の元となった神話の神の憂鬱な横顔のように蒼褪めた星であり、放射性活性鉱砂の毒禍々しいまでの青い海に浮かぶ暗い双眸にも似た二つの黒いシサの大陸しかなかった。
この屍のような星の何人も近寄らせなかった
恒星間移動艇の外装をも侵食し溶かしてしまう
あらゆる金属を溶かしあらゆる非金属を犯す溶剤は銀河中に恩恵をもたらしゾレノは莫大な富を得たが、そのまま僅かばかりの親族とともにこの星にとどまり研究を続ける余生を過ごした。
揮発することなく変わらぬ溶性を続ける
その利用性に銀河中が乱舞し
そして一族の反映は侵されることなく半世紀が過ぎていったのである。
パイプの詰まりを除去し送出ポッドの具合をみようとサレンは古井戸を稼働させることにした。
「ん?」不意に空を見上げるサレン。ブーンとシールドが貼り直される音に混じりながら聞こえ続ける
見上げた紫苑に染まる空に揺らぎが始まる。粒子の集約と実体化、異空間から解き放たれた船だ。
その見かけたこともない船に
「…なんだ?」
サレンはざわつきがやまない
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます