流砂の惑星
いちごはニガテ
第1話 リュウサの一族
赤黒い
「ちぇっ、またあのポンコツ、目詰まりしやがって」
丘の脇を怒涛のように流れる
少年の一族にしかわからない複雑な古き道筋を辿り、丘の上の採掘場の隅にある古い井戸にたどり着いたのは小一時間も過ぎた頃だろうか。すっかりと足元を赤黒くそめてしまった少年は古井戸の電源をひとまず落とすことにした。
「あんな古井戸、もうやめちまえばいいのに」
「何をゆうサレン、今の我らが繁栄はあの古井戸がもたらしたものぞ、一族の次なる長となるものがそのようなことを」周期的に繰り返される今朝のような問答。新世代の一員であるサレンにとっては、無駄なことにしか思えなかった。
確かに
「サレン、父様の言葉は偉大なる祖先の教えが含まれているのですよ。長としての勤めを果たさなければならない貴方の修行でもあるのですから」母であるデルタの慰めも聞き飽きたものだった。
「大河の上に浮遊して直接
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