マカロニ☆ルンバ物語

@haruharuharuharu

第1話 お隣さんの土屋くん

こんにちは。私、鈴井あんこと申します。時和学園小等部6年1組の11番、12歳です。

今日はちょっと変わったお隣さんの紹介をしたいと思います。

お隣さんは土屋さんといって、私と同い年の男の子がいます。その男の子、土屋くんはいわゆる幼馴染というやつで、昔からよく遊んでいます。

頭の回転がはやく、口が悪いかな。つり目でいつもムスッとしています。友達は少ない。でも、ときどき優しいこともあります。

これが土屋くん。私の幼馴染。いいやつだよ。




**********



季節はめぐって、私たちは中学2年生になった。

中学生になって変わったことと言えば。土屋くんと話していないこと。別に喧嘩したワケじゃない。彼が居ないから会うこともない。話すこともない。だって彼は去年亡くなったから。

彼は通学路の交差点でトラックにひかれた。一緒に帰ってるときだった。あの時雪の上に滲んだ赤は、まだ私の目の裏に焼き付いて離れない。病院に救急搬送されたけど、間に合わなかった。12月4日。帰らぬ人となった。

あれから1年が経って今日、またこの日が来た。彼を思い出すように、小学生の頃書いた作文を読み返していた。


「_____こんにちは。私、鈴井あんこと申し

ます。時和学園小等部6年1組の11番、12

歳です。 今日はちょっと変わったお隣さん

の紹介を …__________」


友達の少ない土屋くんのためにと思ってこれを書いて、彼に余計なお世話だって怒られたんだっけ。

ああ、懐かしいなぁ…。今度はアルバムの写真を見ながら呟いた。


______ポタリ_____________



大きな涙の粒が写真の上に落ちた。それから何度もポタポタと落ちて写真がふにゃふにゃになり始めた。


「……なんで死んじゃったかなぁ……。」


やり場のない暗い、どうしようもない感情で心が溢れかけていたので、おもいっきり叫ぶことにした。


「土屋くんのッ、バカッ!アホゥッ!おたん

こなすびッ!!」


「意気地無しーッ!」


無茶苦茶に叫んだ。それはもう狂ってるくらいに。


「クソヤローッ!!!!」


「うるさいッ‼」


「わかっとるわッ‼」


「……」


え……。今、土屋くんの声しなかった!?

私はおそるおそる、後ろを振り向いた。


「黙って聞いてれば、ひどい言い様だな。」


「……。」


ちょっと待って。突然の事に頭がついていけない。

私が振り向いた先には、血みどろの男の子が。

ホントに……"いたのだ"。

居た‼____土屋くんが!!!!!___________


「ッ!でッ、でェッ、出ぇたぁーーッッ

ッ‼!!」


死んだはずの土屋くんは。私の部屋に表れた。あの時と変わらない姿で。

嬉しいような、嬉しくないような。

まさかこの再会が、私の学校生活を狂わしてゆくとは、この時の私は思っても見なかったのです________。



つづく






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