PS 私の願い
私は死んでしまった。
だからその場で兄の幸せを祝福することはできない。
それがどれだけ残念なことか。
私は元々お兄ちゃんと七々ちゃんがくっつく事を望んでいたから、ブラコンだからって、別に嫉妬なんて醜い事はしない。
だから、心霊写真みたく、写真に写り込んで怖がらせたり何てしない。それはお兄ちゃんと七々ちゃんに誓って云い切れる。
寧ろ嬉しい。あんな美人なお姉ちゃんが出来るのだからどれだけ嬉しいことか。本当だったら飛んで喜びたいくらいだ。
こんなときに死んでいると云うのはとてももどかしい。
折角二人がくっついたのに…
まぁ、私は前向き志向な人間だったから、死んでもその前向きさは残っている。
私は二人がくっつくように、特にお兄ちゃんが自分から云い出せるように今回手助けをしたのが、嫉妬をしていない証拠だ。
結果としてお兄ちゃんには叱られて、其処は反省しているけども、生と死は紙一重。これからの私の役目は、二人をその状況から救うこと。
私は二人に安心してこれからの時を過ごして欲しい。
本当は生き返る事が出来るのが一番だけど、今のところ漫画でしか聞かないから現実味は薄い。
だから、私は死んだ身だからこそできることをしたい。
それがブラコンで、尚且つシスコンな私の、新しい仕事なのだから。
Alptraum. -a tale of valentine's tragedy . 正保院 左京 @horai694
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます