第21話 「ビジネス書」として売り出す戦略

「実はビジネス書として出したい」と編集の方に伝えたところ「売り出し方を考えないといけない」という趣旨の発言をいただきました。


つまり、芽はあるということです。


頭から否定されなかったことに安堵して「もし売り出すとしたら、どんな感じになるんでしょうか?」とこちらから仮定の問題として投げかけると「そうですね・・・」と少し考えながら幾つかのアイディアを上げてくれます。


「まず、ハーレムは要らないかもしれませんね。それと、帯に有名人の推薦を入れるといいかもしれません。あの小太りの有名投資家とか。たぶん、高いでしょうけど」


帯というのは、新刊本の下の部分に巻いてあるやつですね。

確かに本が平積みであれば、非常に目につくところです。


私はビジネス書として売りたい、という希望を持ってはいたのですが「どのように売るか」という本のマーケティングやプロモーションについての現場手法についてはさっぱりでしたから、この際、できるだけ聞いてしまおうと考えて、質問を重ねました。


「ビジネス書として売るなら、サイズはどんな感じになるんでしょう?どこまで書籍化するかによりますけど、かなり分量があると思うのですが」


ページ制約のない世界で発達してきたWeb小説は、全体的に長いことを良し、とする傾向があります。

一方で書籍の方はページ数増が直接に印刷・流通原価へ跳ね返りますから、文章は短く、展開はスピード感を持ち、文章は詰めて、ということになります。


そのあたりは、読みやすさや間まを表現するためだけに改行や空白を良しとする、なろう小説作法とは対極と言えるかもしれません。


同じ葛藤はビジネス書にもあります。

実はビジネス書にも種類がありまして、私は勝手に「自己啓発系」「専門分野入門系」「海外知識輸入系」「エンタメ系」と分類しています。


有名人が「1日10分◯◯すれば人生が変わる!」と書くのが「自己啓発系」、「10分でわかる◯◯知識」というのが「専門分野入門系」、「◯◯◯(難しげなカタカタ)」で著者が外国人なのが「海外知識輸入系」、表紙に女の子が出ているのが「エンタメ系」です。


自分の場合、専門分野入門系とエンタメ系の間ぐらいの作品かな、と思っていましたので、そうした作品の売り出し方について意見を聞いてみたかったのです。

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