第13話 煌々〈コウコウ〉
口角を少し上げた
「
「まーそうだね! 疲れてきちゃったし」
「いやー残念だったね、さくやん。あんなに美しいぺちゃぱいを見逃すなんて」
「は!?」
ぺちゃぱい!? どうやら思い違いをしていたようだ。大きい方ではなく小さい方か……。ロリを崇拝している身としては、むしろ小さいほうが拝む対象になるんだよなぁ。
「ダメだよ、
「うっわー、さすがにきもいなぁ」
「
「あーはいはい、ノーマルノーマル」
言葉を終えるとすぐにくるっと
「今日は帰ろー。日も沈んできたし」
体育館から裏庭へ出て、綺麗に整備された
木目調のベンチが数か所に設置されていて、複数の女子集団が会話に興じている。夕日に照らせれた彼女らの姿は明るくて、
その光景が瞳の奥の
彼女らが放っている
楽しそうな笑い声も愉快なじゃれ合いもそれらすべての言動が、見えない誰かへの見せつけに思えてならない。わたしたちの生活は充実している、高校生活はこうあるべきだ、と主張しているように感じてしまう。
そんな考えが頭を
「ねぇねぇ、二人って部活は何してるの?」
俺の自己嫌悪を遮るように、
「わたしは何もしてないよー」
辺り一面に冷静な声音が響いた。
「俺も帰宅部だ」
俺の言葉を聞いた
「キタク部? ってなに?」
「帰宅部っていうのは、6限目のチャイムが鳴ったあとはどんなことに時間を使っても構わないという自由度の高い部活だ。帰宅するもよし、寄り道するもよし。なんでもありだ。部員数は校内一なんだぞ」
「要するに、どの部活にも所属してないってことだよ、
「なるほどー! はるるん、分かりやすい! さくやん、分かりずらーい」
くそっ、
「それじゃあさ。わたしたちで新しく部活、作らない?」
夕日の光が金髪に反射して、
いいこと言ったなぁ、とでも思っているのだろうか。満面の笑みを浮かべて、俺と
残念ながら
「あー、いいんじゃねえの? 女子だけの部活って楽しそうだしな。勧誘して部員を増やせばそれなりに盛り上がるだろ」
『女子だけ』の部分を少し強調して言った。東雲の提案そのものは肯定しつつ、自分の存在だけを否定する。これこそ誰も傷つかない世界だ。……なんか中二病くさいなぁ。やだっ、再発してる? そもそも完治したっけ?
俺の言葉を聞いた
「もう! さくやんも一緒に作るんだよ! なーんでそんなに協調性がないのかねぇ」
「はぁ? 協調性がないとか、お前がいっちゃう?」
この瞬間にも勝手に事を進めようとしているあなたの態度はどう説明するんですかねぇ。協調性のかけらも感じない。どころか、
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