漬物の小鉢

 祖母は、朝食にも夕飯にもかならず、漬物をつける。小鉢に盛って。僕は、それが、嫌いだった。

 祖母とは向かい合って食事をとるため、僕が小鉢に手を出さないと、すぐに気付かれてしまう。だから「どうしたの?」と訊かれる前に、漬物を食べなければいけない。祖母は、僕が漬物を好きだと思っているのだ。どうしてだかは知らないけど。

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