眠ってしまうんだろうな

 バスを待っていた。隣には、中学生くらいの子が、携帯をいじりながら佇んでいる。ゲームをやっているのだろうか。ちゃかちゃかした音楽と、効果音が聞こえてくる。

 雨が降りそうだ。曇天をちらりと一瞥する。空気が湿気っているみたいだった。眠たくなってくる。昔からそうだ。曇っていると、どうしようもなく怠くなってしまう。こんな処で眠るわけにはいかないから、首の皮膚をつねった。爪を立てて。

 バスに乗って、座っていたら眠ってしまうだろうか。眠ってしまうんだろうな。睡魔に抗うのはむつかしいから。そして乗り過ごして、余分に歩いて帰る羽目になるんだろう。考えるだけでうんざりする、疲れる、だから考えない。今は。

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