第14話

「何やっているんだか僕は。」


ほんとだったら今日殺すつもりだった。同じ仲間の双子から聞いた、戦闘相手だった麗爛に似ている子があそこら辺に住んでいる。という情報を元に麗爛を探していたが、僕が背後に回った瞬間に振り返るって正直馬鹿だなぁって思った。


普通の守護者ガーディアンだったら私生活中は夢喰バグの存在を感じていても実際の姿をバレないようにするため嘘でも気付かないふりをするものだ。


それが戦闘心溢れるあんな瞳と目が合うなんて。


自室についた僕は椅子に座り、落ち着かないこの心を抑えるため大好物のマシュマロを口に放り込む。


「だって、まさか僕が倒せなかった守護者ガーディアンが、あんなポンコツだったなんて戦う越えて呆れるのは当然…当然...だよね。」


自分でも何故あんないつでも殺せる状態の彼女を殺さなかったのか不思議で仕方なかった。


でも、あんな守護者を殺したところで泣き叫びそうでもないし殺したってつまらないしなぁ...。

「はぁ」とため息をつき僕はまぶたを閉じた。


金色の力は無敵の印。

どの幸奪能力も壊してしまう、いわゆるチートのようなもの。


そんな力と平等な力を持つ者がいる。

僕は、望みを喰らうためだけに生きているようなものだから能力っていうよりも存在意義みたいなもん。


この世界の中心となっている、まだ幸奪界の庶民すら知らない秘密兵器。


彼が動き出す時、歯車は狂い出すだろう。


「今はまだ序奏にすぎない...。」


薄らと目を開けば、廊下で口論している双子の声が聞こえる。


僕は、椅子から離れ扉を開いた。


今日の夕飯は何かな。なんて、さっきと別のことを考えながら。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

救済Guardian アカノミヤ @akanomiya

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ