ピクルス節全開って感じです。作者様の作品では共通して女性主人公の知性と行動力が輝いているのが魅力なのですが,この物語は決してキャラが立ってるだけのものではない。特筆すべきは起承転結と展開の巧みさによるリズムと全く飽きの来ないテンポの良さ,文章のストレスフリーさ。
「ガチョウ番の姫」は元々グリム童話ですが,正直言ってあまり知名度が高くないと思うんです。子供の頃に読んだときには馬の存在意義がわからずこの馬いらなくね?とか思ったりしたのだけども,ジンジャー様の手にかかればキーパーソンに早変わり。構成力の高さを改めて感じました。
クライマックスからフィナーレにかけてのワクワク感,ハッピーエンドの満足感はまさに大人向けファンタジーの王道です!
最初から最後まで非常に面白かったです。最高の一時でした。
まず登場人物が全員活き活きとしていて、好きにならずにはいられません。
善人ばかり、というわけではありませんが、皆いいキャラなんです!
特に主役のお姫様、リーゼル。
強く美しく優しい、だけどそれだけじゃない彼女が本当に魅力的。
あっという間にファンになってしまいます。
応援したくなるというか、気付けば常に応援している、そんな主人公です。
一話の文字数が多い? いやこの話はこれでいいんです。絶妙なんです。読んだらあっという間です!
大きなものだけでなく、細かい伏線まで完璧に回収されるのが見事です。
しかもそれが全然わざとらしくない。とても綺麗な構成です。
読んでいて気持ちいいうえに、読後感も爽やかで最高で、本当にもう言うことなしです。
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