エピローグ


 七年の月日が経った。

「ねえママ。どおしておうちに、クリスマスツリー飾らないの?」少女が質問する。傍にいた女性は頭を撫でながら話した。

「ごめんね、みゆちゃん」

「昔パパが大好きだった人が、死んじゃった日なの。 だからね、飾らないの」その言葉を聞き、不思議そうに訪ねてきた。

「でも、 サンタさんは来るんだよね!」

「あっ! パパが帰ってきた」嬉しそうに はしゃぐ、少女を抱き抱えながら「美幸。ママ。ただいま」と言う誠がいた。

 女性は今日がどの様な日なのかを、理解しているかの様に言葉をかけた。

「パパお帰りなさい。今日行ってきたの? お墓」誠は小さく頷く。

「ママ早くご飯にしようよ。お腹空いた!」傍で待ちきれないように少女が強請る。誠は椅子に座り、傍にいる少女を見つめると。家の中の温かさが身に沁みていた。気がつくと頬に伝うモノがあった。

『美智。俺は幸せだよ』古ぼけたスカイツリーのキーホルダーを、見つめながら心の中で呟く。そして誠は、美智の最期の言葉を思い返していた。

「生まれ変わったら、私から誠を愛するね」と


 完

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T*K @kadotomo

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