【実話ホラー】11人いる……?

東雲飛鶴

本文

20年ぐらい前、私がとあるイベントを開催した時の話です。


イベントが終わり、会場を出て、手伝いをしてくれた皆さんと一緒に、新宿へあそびに行くことになりました。


地下鉄を降り、西口駅前の地上に出ました。


たしかスバルビルの前だったと思います。とりあえずご飯を食べようという話になり、人数も多かったので、全員で人数を数えました。


みなで、一人二人三人……と数え、私をふくめ全員が『11人いる』と答えました。

数も確認したので、11人で入れそうな店へと移動しました。


私は適当な店を見つけ、入り口で店員さんに、


『11人です』


と告げました。


ところが、店に入ってみると――――10人しかいないのです。


一体だれがいなくなったのか?


全員に聞いてみたのですが、誰ひとりとして、「誰かがいなくなった」とはいいませんでした。もちろん、私も、いなくなった人がいる、という認識にはならなかったのです。


あの時多かった一人とはいったい誰だったのか。

全員が数え間違えたとは思えません。




唯一思い当たることといえば、その中の一人が「医学生」で、そのころ献体の解剖をしていたことぐらいです。


あれってやっぱり、彼が連れてきたのかも……

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