帰ってきたら玄関の前にへんな花が生えていた。

ねぇ聞いて。

　あー。むかつく。まじでむかつく。

　なんなの？スクールカースト高いです～みたいな？きも。

　男子に媚売ってるだけでしょ、寒気しかしないわ。

　男子と話してる時ワントーン声高くなるの、ほんときもい。そんなんしてもおまえじゃモテないから。

｢ただい……ん？｣

　なにこの花。変な色。

　ピンクなの？黄緑なの？黄色なの？

　はっきりしない色だな、嫌い。気持ち悪い花。

｢……。｣

　こんな花見たことないな、新種とか？レアだったりして。

　ぶちっ。

　あ、触っちゃったけど、毒とかないよね。

　まぁ洗えば大丈夫か。

　がちゃ。

｢ただいまー。……って、誰もいないか。ははは。｣

　ばたん。

　たたたた。

　じゃーーー。

　こぽぽぽぽ。

　きゅっ。

｢花瓶じゃなくてコップでごめんね、花瓶ないんだ。｣

　じゃーーーー。

　ごしごし。

　じゃーーーー。

　ふきふき。

｢よっこいしょっ……。と。やっと座ったやっと座った、はぁーつかれた。……にしてもなんだろうなこの花。｣

　じー。

｢へんなの。……ねぇ聞いて、今日学校でまたあのゴミぶりっ子がね……。｣

｢ねぇ聞いて、今日はあのロリコンのきもい教師がね……。｣

｢ねぇ、聞いて。そこのみっちゃんがさぁ実はすっごい頭悪かったのね、そんでね……って、あれ？あんた大きくなってない？気のせいかな。｣

｢ねぇ聞いて、今日なんてあのクソブスなケンタがさ……。｣

｢ねぇ聞いて。……あれ？あんた、また大きくなってない？まぁいいや｣

｢ねぇ聞いて……って、もう、あんた、やっぱり大きくなってるよね。

　………きも。こわ。｣

　がっ。

　ばしゃっ。

　ことっ。

　たたたた、がちゃっ。

　たたたたたっ。

｢へんなの。空き地に埋めてあげる。ここならいっぱいお花あるでしょ。バイバイさような……

　がぶっ。