リ○トンの紅茶飲みつつ味はひに驚かれぬる春の夕暮

【読み】

 リ○トンのこうちやのみつつあぢはひにおどろかれぬるはるのゆふぐれ


【大意】

 リ○トンの紅茶を飲んでその味わいの良いことに驚いている春の夕暮れである。


【附記】

 かつて飲んだとき以来それに対してよい印象を持っていなかった。自分の評価の定まらなさに愕然とする。


【例歌】

 山里の春の夕ぐれ来てみれば入相いりあひの鐘に花ぞ散りける 能因

 すゑとほき若葉のしばふうちなびき雲雀鳴く野の春の夕ぐれ 藤原定家

 七つの子かたはらに来てわが歌をすこしづつ読む春の夕ぐれ 与謝野晶子


 秋きぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる 藤原敏行


【例句】

 入逢の鐘もきこえず春の暮 芭蕉

 がための低きまくらぞ春の暮 蕪村

 大門のおもき扉や春のくれ 同

 驚かぬ風渡りけり春の暮 闌更らんこう

 蝶が身の人よりかなし春のくれ 樗良ちょら

 泥海の猶しづかなり春の暮 夏目漱石

 ごんと鳴る鐘をつきけり春の暮 同

 いちはつの一輪白し春の暮 正岡子規


 等閑なほざりに香たく春の夕かな 蕪村

 海は帆に埋れて春の夕かな 大魯たいろ

 瑞籬みづがきや狐子を生む春の夕 内藤鳴雪

 蕭条せうでうたる古駅に入るや春の夕 夏目漱石

 地震なゐ知らぬ春の夕の仮寝かな 河東碧梧桐

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