くはしめの浮かぬ顔せる見るときは胸ふたがりて思ほゆるかも

【読み】

 くはしめのうかぬかほせるみるときはむねふたがりておもほゆるかも


【語釈】

 くはしめ――美しい女。美人(デジタル大辞泉)。

 ふたがりて――ふさがって。


【大意】

 美人が浮かない顔をしているのを見るときは、胸もふさがるくらい(かなしく)感じることである。


【附記】

 かなしいと言わずにかなしさを表現せんとした。「思ほゆ」が「おぼゆ」の語源であることに鑑みて「感じる」と訳した。「吾妹子わぎもこ」(恋人や妻)ではなく「くはしめ」(美人)となっているのが、後世の都会っ子のわたしと万葉人の差だろうか。


 一首に動詞が5個あるのは、一般的には多いとされるだろう。

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