わが体みどりになると思ふほど日にいくたびも茶を啜りけり

【読み】

 わがからだみどりになるとおもふほどひにいくたびもちやをすすりけり


【大意】

 このわたしの体がみどりになると思うくらい、一日に何度も茶を啜っていることである。


【附記】

 コーヒーや紅茶とちがって、緑茶を飲むとからだがその色に染まりそうにも思う。


 かなり平易に感じられるかもしれないが、それはわたしにとって本望である。というのは、松尾芭蕉(1644-1694)が提唱したという「軽み」の概念もその種のものかと考えているからである。和歌と俳諧の違いはあるにしても。


 一首のうち「茶」のみ漢語だが、それも「菊」同様和語に準じる地位を得ていそうなものである。


【参考句】

 いくたびも雪の深さを尋ねけり 正岡子規

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