The witch in the film

@yurisakino

第1話 魔女村

見ている景色が段々と都会から離れてゆく。

辺りは一面の緑が広がっており、これから向かう魔女村と呼ばれる怪奇現象がよく起きるとされている村に行く道中である。

車を走らせていると目の前に古びた看板が見えてきた。

『魔女村へようこそ』といかにも人の手で舗装されていないことから、人の出入りが少ないことが伺えた。

目的地の魔女村には、なんと駐車場が無く車を停める場所がなかったので、仕方なく路上駐車した。

しかし、何故自分がこの村に来たかと言うと、この村では人がよくいなくなるという噂があったからだ。

何でも、心霊スポットとして訪れた人達が何人も戻っていないとか。

村を一通り見て回ったが人っ子一人見当たりはしなかった。

そして残すは、いかにも何か出そうな古い映画館だった。

入口には『CLOSE』と掛看板が吊るされてあったが、そんなの関係なしに扉を開く。

「くしゃ」

何かを踏んだような気がした。

足元を見てみると、新聞を踏んずけていた。

どうやら、10年前のものらしく、表紙には『魔女村で10歳の少年が行方不明 未だに手がかりは見つからず』と書いてあった。

確か魔女村での人がいなくなるということが起き始めたのも10年前くらいだと書いてあったな。

すると、投影機が歪な音をあげてスクリーンに何かを写し始めた。

その瞬間背後に気配を感じ振り返ると...

「うぅぅ」

どうやら背後から何かで後頭部に一撃をもらってしまったらしい。

目を開けるとそこには、耳のとんがった女の子がいた。

身体を起こそストすると、

「ガチャン」

手足や動かない。

どうやら拘束されているらしく、上体を起こせない。

上体を起こすのを諦めて耳のとんがった女の子に質問をしてみる。

「あの」

「ここは何処で?」

「きゃぁー」

耳のとんがった女の子は奇声をあげるやいなや思いっ切りグーパンチを俺の顔面にヒットさせてきた。

「うぅぅ」

そしてまた意識を失うのであった。

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