七
独り
暗闇になかに沈んでいる
静けさを裂くように
走り去る車の音が
私を海へと運ぶ
氷のように冷たい水に足をつけ
海の上に落ちた月を望む
黒々として激しく舞い踊る波が
思い出の中にも現れる
これは故郷と同じ海だ
冷たい波飛沫、励む砂遊び
母の故郷の海は
もっと暖かく穏やかだった
向こう岸が望めるような
その土地の人の海だった
私の海は国境だ
人の欲と希望
多くを運んできた
私もそれを超えてきた
また聞こえた車の走る音が
静けさを呼び戻す
そしてまた独り
海の底のような
重く冷たい
濃さのなかに沈んでいく
一から七の詩 碧い紅葉 @acer_momiji
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