六
うまくゆかぬ
時がある
先に対する不安と
溜まっていた疲れが
せっかくの休日に
寝ても、寝ても、
頭のどこかにこびりついて
体の動きを遅くする
親しい人がいつもより優しく
明るく生き生きとしていて
それを眩しく眺めると同時に
暗くどんよりとした自分を
申し訳なく思う
ひとりで、黙って、
空気を見つめて永遠と
静かにただずんでいられるような
すぐに私も走り出すからと
駆け出して行く仲間たちを
後ろからそっと見送るような
倦怠と諦めと
世界からの妙な疎外感に
ぬくぬくと浸っている
必死になっても怠惰であっても
過ぎてゆく時間は変わらず
ゆらりくらりと過ごしたいのに
時代がそれを許すような
器では私は決してない
うまくゆかぬ
時がある
だから
うまくゆく
時もあるだろう
そうやって笑っていれば
まだ時間が勝手に過ぎてゆく
心配していた未来が
遂に遠くの過去になる
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