昨日はどこだ

空気が軋む音が

耳に痛い

ここから今すぐ

逃げたくなるような

それでも

諦めきれない暖かさが

あと一歩のところで

開け

開け

私は両手を空にあげて

まるで無抵抗

目を合わせて

困ったような微笑み

執拗に追い縋る

開け

開け

私の為に開け

簡単に

失えるようなものではない

目をそらせば

ふと逃げられてしまう

焦りと不安と

見えない嵐が

みるみると凍ってゆく

昨日はとても美しかった

貴方も私も

眩し過ぎて

目が眩んで

瞬きの間に見失った

それはどこだ

開け

私の為に

明日を渇望する

私の貪欲な本能が

猫なで声で追い詰める

開け

私の為に

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る