飛行機が

雲の下を流れてゆく音

オフィスの硝子窓に

ぶつかった鳥が落ちた

空は青から

白の混じった群青へ

夜がはじまる。


愛しいひとを待つ車の中で

溶けてゆくアイスクリーム

汚れた硝子の向こうで

いつの間にやら陽が落ちた

記憶の中

照りつけるような日差しが

昨日の一部になってゆく。


分かり合えなかったひと。

友達のふりをやめたひと。

気に入らないのなら

最初からそう言えばいい。

無理をした甲斐が

一体どこにあった。


狭い車の中で

広がる貴方の寝息と鼓動

オレンジ色の街灯の明かりが

私たちの目を刺した

風が既に冷たくて

今日の余り物みたいな時間が

みるみると冷えてゆく

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