三
濡れた柔らかな芝生が
足の指先に絡まる
貴方の後ろに
夜空が見える
生憎の曇り空
星はあまり見えない
静かに、と
貴方が言う
揺れて
薄いブランケットの上
壁のない違和感
貴方の長い指が
私の口を押さえて
それでも漏れた声が
耳を刺す
貴方も私も
こんなに白かったっけ
薄目を開けて
揺れる視界
飛行機が飛んでいる
不恰好な月が滲む
背中痛くない?
なんて聞いてくるけど
今更何を言っているの
ここがどこだかわかっているの
知らないふりをして
震える、何もかも。
遠くに光る車のライト
さっきまで肌寒かったのに
冷たい風が心地よい
幸せ。と呟いた貴方の
腕の中に私は沈む
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます