濡れた柔らかな芝生が

足の指先に絡まる

貴方の後ろに

夜空が見える

生憎の曇り空

星はあまり見えない


静かに、と

貴方が言う

揺れて

薄いブランケットの上

壁のない違和感

貴方の長い指が

私の口を押さえて

それでも漏れた声が

耳を刺す


貴方も私も

こんなに白かったっけ

薄目を開けて

揺れる視界

飛行機が飛んでいる

不恰好な月が滲む

背中痛くない?

なんて聞いてくるけど

今更何を言っているの


ここがどこだかわかっているの

知らないふりをして

震える、何もかも。

遠くに光る車のライト


さっきまで肌寒かったのに

冷たい風が心地よい

幸せ。と呟いた貴方の

腕の中に私は沈む

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