すずしさのかたまりて咲く四葩かな

【読み】

 すずしさのかたまりてさくよひらかな


【季語】

 四葩(夏)


【語釈】

 四葩――あじさい。


【大意】

 すずしさが凝固して、小花がかたまり咲くあじさいだなあ。


【附記】

「涼しさのかたまりなれや夜半の月」(貞室)の本句取りである。「かたまりて」は涼しさが凝固することと小花が1ヶ所に寄り集まることをかける。


「すずしさ」も夏の季語である。なお、同じ季節の季語が複数入っている場合に【季語】の欄に複数記載するか否か、後者の場合どの季語を記載するかに特に法則はなく、わたしの主観(言ってしまえばそのときの気分)で決めている。


 推敲前、「すずしさのかたまりなれや七変化」。


【例句】

 あぢさゐやよれば蚊の鳴花のうら 暁台きょうたい

 紫陽花にあらぬ名をよぶ山家かな 乙二おつに

 紫陽花や壁のくづれをしぶく雨 正岡子規

 花二つ紫陽花青き月夜かな 泉鏡花

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