蝿は蚊は羽音がましき暑さかな

【読み】

 はへはかははおとがましきあつさかな


【季語】

 暑さ(夏)


【語釈】

 羽音がまし――造語。「羽音」と「かごとがまし」(ぐちめいている。言いわけがましい)を合わせた。


【大意】

 蝿は、あるいはまた蚊は、何事かにかこつけるように羽音を立て、とかく暑苦しいことである。


【附記】

 蝿や蚊やの虫の多さを思えば暑さこそが害悪と結論したくもなるが、「冬は又夏がましぢやと言ひにけり」(鬼貫)といった句もまたあるわけである(同じ作者に「夏はまた冬がましぢやと言はれけり」の句がある)。


「蝿」「蚊」も夏の季語である。


 推敲前、上五「蝿に蚊に」。


【例句】

 牛部屋に蚊の声暗き残暑哉 芭蕉

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