闘鶏や固唾のみこむ水の音

 闘鶏とうけい固唾かたづのみこむみづおと


【季語】

 闘鶏(春)


【語釈】

 闘鶏――「鶏を戦わせて勝負を争うこと。また、その鶏。鶏合わせ。奈良時代に唐から伝わり、陰暦3月3日の宮廷行事にもなった」(デジタル大辞泉)。


【大意】

 闘鶏の場に臨んで、固唾をのみこむ水の音を聞くのであった。


【補説】

 ご存知芭蕉の「古池やかはづ飛びこむ水の音」の本歌取り(パロディー)である。中七なかしちの三音を取り替えてそれに合うように上五かみごを見つくろった次第である。生まれてこのかた私が闘鶏を観戦したことはない。


鶉合うづらあはせ」(秋)、「牛角力うしずまふ」(「牛合」「牛の角突き」「闘牛」。夏)といった季語もあるらしい。


【参考句】

 にはとりの蹴爪も永き日あしかな 立圃りゅうほ

 時を感じ花に鳴くなり鶏合せ 惟中いちゅう

 勝鶏かちどりの抱く手にあまる力かな 太祇たいぎ

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る