落雷や頭の螺子のひとつ飛ぶ

 落雷らくらいあたま螺子ねぢのひとつ


【季語】

 落雷(夏)


【大意】

 雷が落ちてきて頭のねじがひとつ吹き飛ぶのであった。


【補説】

 どこかで頭のねじがひとつ飛んだのではないかという思いが以前私にあった。そういう発想を持つに至ったのは、いつか視たドラえもんの誕生の話の影響があるにちがいない。


 年中見られる落雷が夏の季語とされるのは「夕立ち」が夏の季語とされていることから類推したものと聞いたように思う。なお、「稲妻」「稲光」は秋の季語。


【参考句】

 明石より神鳴晴れてすしの蓋 其角きかく

 雷に茄子も一つこけにけり 涼菟りょうと

 名月や雷のこる柿の末 酒堂しゃどう

 雷に小家は焼れて瓜の花 蕪村

 達磨忌にこは一喝の雷の音 蝶夢ちょうむ

 雷のごろつく中を行々ぎやうぎやうし 一茶

 空腹すきばらに雷ひゞく夏野かな 同

 大江戸や雷の音より銭の音 幸田露伴

 雷に魂消たまげて青し蕃椒たうがらし 正岡子規

 撫子なでしこに雷ふるふ小庭かな 同

 雲の峰雷を封じてそびえけり 夏目漱石

 雷や猫かへり来る草の宿 村上鬼城

 大雷おほらいやそれきり見えず盲犬 同

 夏の花一つも見えず雷来る 横光利一

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