なゐふりてさつきの晴間戻りけり

 なゐふりてさつきの晴間はれまもどりけり


【季語】

 さつきばれ(夏)


【語釈】

「なゐ」は、大地。地盤。また、地震。

「ふる」は、揺れ動く。振動する。

「さつきばれ」は、旧暦五月の晴天。現在では新暦五月の晴天の意味で使われることもあるらしい。


【大意】

 大地がゆれて、空には皐月さつきの晴れ間が戻るのであった。


【補説】

 地震のおこることと梅雨時の空に晴れ間のもどることに因果関係を認めることは難しいだろうが、蕉風俳諧では理屈を離れた「無分別」を尊ぶとも聞く。


【参考歌】

 あさ地震なゐす空はかすかに嵐して一山白きやまざくらかな 若山牧水

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