七年の闇立消えて蝉時雨

 七年ななとせやみ立消たちきえて蝉時雨せみしぐれ


〔語釈〕

蝉時雨せみしぐれ」は蝉のいっせいに鳴きたてるのを時雨(晩秋から初冬にかけて降る通り雨)にたとえた語(夏)。


 ほかの蝉はどうか知らないが、みんみん蝉が地上に出るまでの七年間を地中で過ごすと聞いて作った。なんということもない内容だが、なんでもないことでも作品として成立しうると私は思っている。

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