眠い。

第1話

眠い。

ただひたすらに眠い。


しかし寝過ぎたのか、眠いが頭がボーッとするばかりで眠れない。

不快だ。

とても不快だ。


こういう、機嫌が悪い時に限って面倒な奴等が来る。


「『悠久の時を生きる古代龍、龍王ファフニールよ!

我が呼びかけに応え、その力を我に』」

『うるさい』


長いし、うるさい。

なんだコイツ。

ファフニールって誰だよ。

ここには俺しか居ない。

ファフニールとやらが昔に居たのか知らんが、居たとしても他所へ行ったのだろう。


「『これは申し訳ない。

貴方様の強大な魔力を感じ、昂ってしまったようです』」


魔力?知らん。

どうでもいい。

眠いんだ、そっとしておいてくれ。


「む?言葉が通じていないのか?

しかし、先程確かに古代語で『うるさい』と…私の発音の問題だろうか?」


先程、確かにうるさいと言った筈だがブツブツ言うばかりで一向に立ち去らない。


こういう時は、面倒だが願い叶えれば立ち去った筈。

仕方ない、聞いてみるか。






こいつの長い話のお陰で再び近づいてきた睡魔の誘惑に身を任せ、一眠りしたらな。

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