エピローグ

 その日も私は8時半に家を出た。昨日見た満月は今もまだ目に焼き付いたままで。


「おはよう!」


 向かいの家に向かって元気いっぱいに叫んだ。


「行ってきます!」


 そこにいるのかはわからない。それでも。


「思いはきっと届くから」


 私と彼が結んだ15の結び目がある赤いリボン。その長さはぴったり15センチになっていた。


「あの大きなお月さまから、見ててよね」


 私は当分そっちに行くつもりはない。それが、約束でもあるから。


 きっと、君といる時間はとっても暖かくて、とっても大切で、永遠に続くと信じているから。お土産話は多い方がいい。君にもらったこの命。全力で紡いでいくよ。


 そうしたら、きっと、また笑顔で会えるから。


 で、今度は君から聞いてよね。

 



――ねえ、二人の距離は今、何センチ?

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15 𠮷田 樹 @fateibuki

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