読んでくれている皆様、ありがとうございます!
さて、SNSで話題になっていた悲報です。
売れ行き不振で書店入荷が減り、紙インク代や人件費の高騰も影響し、文庫本の平均価格が2015年の660円から2025年には830円(税込913円)に上昇。
ゲーム画集も5000円超えが普通になり、翻訳小説では1000円超が当たり前です。
読者からは「作者の取り分が増えるなら」と賛成の声もある一方、学生層から「月1〜3冊買えなくなる」との懸念が。
電子書籍や図書館利用を検討する動きも広がっています。
以上、AI要約でした。
悪循環ですよね。
ラノベを買う人が減って、単価を上げないとやっていけなくて、でもそうすると高いから買わないという人が増えて……もう、こうなってきたら先細るしか未来はないですよね。
言い切るなって? そうです! 買いましょう!
ということで。
でも、この循環はどうにも……本当に頭を悩ませております。
一つ、例を出しましょうか。
A6文庫、本文240ページ前後を想定して税込1,034円とします。さらに、著者への利用料(印税相当)を10%で仮置きしましょうか。
初版500部の場合、現在確認できている公開印刷価格を基準にすると、印刷製本だけで税込18万1,670円。
さらに、ある程度実績認知のあるイラストレーターさんに表紙を中心に発注範囲を絞った場合でも、現時点の試算で最低23万円程度。
そこへ電子版制作、販促、見本、梱包その他の費用、予備費まで入れると、発売前後に回収しなければならない外部支出は約52万円。
さて、続けましょう。
仮に紙が400冊売れたとして、さらに電子版が150冊売れても、約14万9千円の赤字です。
電子版を300冊まで伸ばせても、まだ約9万6千円の赤字です。
では紙をほぼ完売させたらどうか。
販売可能な499冊を売り切り、さらに電子版を300冊売ったとしても、イラストに23万円かかっているので、約1万7千円の赤字です。
もちろん、実際の印刷見積や販売経路によって数字は変わりますし、KADOKAWAみたいな大手であればそもそも印刷費用が全然安くあげられるかもしれませんし、500部、紙400冊、電子300冊といった数字も、これだけ売れるという予測ではなく、あくまで採算を見るための試算に過ぎないんですが、こんな具合になります。
そうなんですよ。
文庫を千円くらいで売ることさえ、出版社にとっては別に高く取って儲ける価格ではないんですよ。
むしろ、そこまで売ってようやく損益分岐点が見えてくるって話なんです。
もちろん、印刷部数を増やせば一冊あたりの印刷費は下がります。
現在の公開価格では、同じ244ページ前後でも500部で約18.2万円、1000部で約30.4万円、1500部で約43.2万円ですから、一冊あたりでは、部数を刷った方が明らかに安くなります。
ところが、たくさん刷れば今度は売れ残った在庫を抱えることになりますし、刷った分だけ売れる保証もありません。
見事な循環の完成です。
ちなみにこの試算は、うちの内部試算ですので、必ずしもすべての出版社に当てはまるものではありません。
うちってどこかって? さて、まだ言えないので、ご想像にお任せします。
ただ、新規参入にはあまりにも向かい風ですよね。でも、ある意味では追い風にできるのかもしれません。
まあなんにしても、売り手も買い手もどうにかこの正念場を乗り切っていくしかないのが現状ですからね。
そもそも、一冊仕上げる苦労を考えたら、あまりにも単価が安いとも言えるのではないでしょうか?
無料で提供されている数多のコンテンツと比べ、1000円前後でこんなにも質の高いコンテンツを得られるなんて、コスパ良いと思いません?
そう胸を張って言えるような質をお届けするため、日夜研鑽し物語を紡ぐのが我々の矜持でしょう。
そして、そんな目を持つ読者の元へ作品を届けるのもまた……。
ということで、お互いに頑張って行きましょう!