倫理観の狂ってる天才。踏み潰され、使い倒されて見向きもされないモブに、みじめに死んでいく脇役も大好きな困ったジーニアス。字を書く者は彼のように観察者で残酷で愛のある人でありたい。心から大好きだとしか言えない。
コボルトキング……名前からしてコボルトの王様ですが、王の冠を頂いているのは人間だというストーリーの出だしから引き込まれました。登場する人々は皆一癖も二癖もある変わった人ばかりですが、何かしらの筋を通しており好感を抱けます。そして可愛らしいコボルト達の姿に癒されますが、時々描かれるダークな表現によって返って凄惨さが強調されたりとダークファンタジーとしても十分に堪能出来ます。顔は怖いが心は清らかで優しい、そんな王様が活躍するファンタジー物語。是非一度手に取って読んで見て下さいませ。
元英雄の主人公が田舎に行って大活躍、田舎町はどんどん発展していくという話かと思ったら、だんだんと重苦しい話になっていきます。 主人公の仲間であるコボルトたちは国の法律上怪物でいくら殺してもかまわない存在で、後ろ暗い事をやってはいても敵がわが法律的には正しい、という事実が読み進めるにつれて大きくなっていく。 本来ならヒロイン補正や悪役補正で助かるような状況でも容赦なくひどい目に遭う展開もリアルで良いです。悪役の人生と思惑がキチンとかかれるもの好印象です、たとえ不快なだけだったとしても。